記憶と変化

1年のうちで、爽やかにすごせる大事な5月が、
こんな暑い5月になってしまって、なんだかとっても損した気分。
どこかで帳尻を合わせてもらえたらいいのだけど。

小説の話です。
頭の中、すっかり大森署の竜崎署長でいっぱいになってしまい、
一旦クリアしないと・・・と思い、
ずいぶん前にダウンロードしていた小説を読みました。
村上春樹著「国境の南 太陽の西」です。
出版された当時に単行本を買ってきて読みました。1992年だそうです。

「ノルウェイの森」を最初に読んで、
その後、村上春樹作品を追いかけていた時期がありました。
たくさんの作品の中で、どういうわけか、
特に心に残ったのがこの作品でした・・・ 
でした・・・
でしたが・・・

さて、25年以上も昔に読んだ本。ストーリーはほとんど忘れていました。
でも、大人の男性が、品の良いバーで、大人の女性と、
とてもオシャレな会話をする・・・という記憶だけが鮮明(?)に。
その雰囲気が好きだったのかなあ~ 大人の恋愛だったよな~

だけど、
読み進むうちに、「え?!」 こんなだった?
「え~?」 イメージとぜんぜん違う!
というか、記憶がまるで間違っている。
あの頃、いいなあと思って読んだのは、いったい何だったのか?

あんなに性描写の多い小説だった?
主人公の男性は、かっこの良いことばかり言うけど、
結局、身勝手至極の男性じゃないの!
それって、村上春樹の憧れの生き方なのかな?
あんな女性に巡り合って、生涯をかける恋をしたいというのかな?
その女性だって、ものすごく身勝手。

掴もうとするとするっと逃げてしまう女性に翻弄され続けて、
身近に守らなければいけないあんなに大切な人たちがいるというのに・・・

って、もう最悪な気分で読み終えました。

そう、人の感じ方って、年齢とともに変化するものなのね。
自分のことながら、ちょっと驚いたけれど、
それが、歳を重ねるということなのです。
年月は変化を飲み込んでいくのだ・・・と思うに至りました。

・・・というか、面倒な色恋のストーリーよりも、
竜崎署長のひとことひとことに、スカッ!とするほうが、
今の私には大切みたいで、
人生重ねて、人格が軽くなったのかもしれません(汗)

昨日は都内に住む孫の運動会。
2時間かけて行ってきました。
子供たちの歓声は元気をもらえます。嬉しいひととき。