やっと秋

都心での用事を終えて帰宅途中の小田急線。
吊革につかまって立っている私の目の前に4人の女子高生が並んで座っていました。
友達だけど、話はちょっとだけで、みなそれぞれに自分のスマートフォンを触っています。
入力する指が早い! LINEかなあ?

いつのころから、女子高生が学校へスマートフォンを持っていって良くなったのだろう?
携帯電話が広がり始めたころ、中学はもちろん、高校だってさほど自由に学校へ持っていけなかった。
次女たちの高校時代は、ポケベル、そしてPHSだったけれど、親たちと学校は何度も話し合いがあった気がする。
長女の学校は禁止だった。

今、彼女たちは友人仲間と、スマートフォンを通して密度の濃い繋がりを持っているのだろう。
それが、彼女たちを楽しませ、励まし、そしてあるときは苦しめる。

そっか~ でも簡単だなあ~ 今の繋がりって。

ふと思い出したのです。
中学生のころの定期試験の前のことを。
親友と約束しました。
「夜の10時に、一緒にお月様を見よう!」

約束通り、勉強をちょっとストップして、庭に出て夜空を見上げる。
友達はきっとベランダで見上げていたと思う。
もちろん、いつも月が出ているわけではないけれど、夜空を見ればそれでいい。
「〇〇さんも勉強の途中に、今、一緒に月を見てる」
そう思うだけのことで、また机に向かって頑張りました。

さて今は、ラインで簡単に友達と
「数学やってる~? ぜんぜんわからないよー」
「やってる、やってる。わたしもわからないー」
なんてトーク画面で流し合う文字。

比較をしても意味ないけれど、
昔は努力と実行が必要で、そしてその先にはちょっと夢があったかも?
なんて、女子高生たちを見ながら考えていました。

駅の近くで夕食の食材を買い、急いで帰宅する途中。
気が付けば、あたりはどんどんと暗くなり、日が沈むのが早くなっていました。
夕景が広がって、秋の空気が感じられた帰り道。
バッグからiPhoneを出して市役所を撮りました、