「クララとお日さま」

ますます遅くなった読書のスピード(眠りに落ちるスピードは反比例)
それに輪をかけたように、この本は
読み始めて終わるまでどれだけの日数が必要だっただろう。

本の内容や感想がネットにはものすごい勢いで綴られています。
さすがにカズオ・イシグロ著作だし、
しかも、内容の深さに誰もが思いを書きたくなる作品だから。
興味があれば、ネタバレ覚悟でそんなブログをご覧になってください。

私は超簡単にどういう本なのかだけ。
カズオ・イシグロ著「クララとお日さま」


太陽光をエネルギーとするAF(AIフレンド)のクララは、病弱なジョジーの元へ買われていく。
ジョジーを暖かく守り友情をはぐくむクララと、その周りの家族や友達の不穏で不安定な生活。真摯に自分のすべきことを考え全うしていくAIロボットは科学技術の進歩に(自分の存在に)哀しみを感じないのか。
それでも、最後には切ない感動を用意して、小説は終わりを迎える。


遅々として読み進まなかった訳は、
それぞれのシーンを描こうとすると難しくて眠くなり・・・
謎のようなワードがいくつかあって、考えていると眠くなり・・・
前に出てきたシーンとつながっているシーンがあると、どんなだったかと考えて眠くなり・・・

私には読み進むのが手ごわい本だったけれど、
(登場人物は少ないし、言葉はやさしいし、読みやすいはずなのに)
5分の4あたりからは、昼間も読みたくなって一気に読み終わりました。
そして、切なくて暖かい、寒い寒い夜に飲むホットワインのようなラストでした。

もう一度読み直します。
情景がちゃんと描けなかったところがいっぱいあったので、
読み直すときはそれらがくっきりすることでしょう。

カズオ・イシグロ著の「私を離さないで」にものすごく心を打たれたけれど、
また少し違う形で、とても好きな本になりました。

きっとそのうち映像化されると思う。
映画・・・ 出来たらぜひ観たい。