母の時代(障子張り)

本日も、いつ来るか分からない「待ち人」中・・・
遠く遠く昔の昔、何時かかってくるか分からない電話、
しかも自分の部屋からは離れた場所にある黒電話を、
じ~っと待っていたこともあったっけ・・・
あれ? そんな話じゃなく!

出かけること(遊びに)もままならず、
庭の雑草取りをしていたら、小雨がパラパラ。
仕方なく、パソコンの前に座って、さんぽ道に書き込んでいます。


昨日、障子の張り替えをしました。
もともと限界だったところに、この夏の大騒ぎで、
5歳の孫ちゃんがしっかりと、存在をアピールするかのような破れ模様。
年末を待たずに張替えです。

20161003-1

4枚の障子を張り替えていると、
母の張り替えの姿、その見事なまでの手さばきが、
走馬燈のように繰り返し繰り返し、頭の中をめぐります。

母の障子の張り方は、障子を立てて張っていました。
今はほとんどが障子を平らな床に置いて張り替えです。
ひとつには、大きな障子紙を使うせいかも。
私も、そうやって一度にぺらりと張りました。全面を一気に。

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(セロテープは使わなかったけれど、およそこんな感じ)

でも、母は(母たちは?)障子を立てて、
2桟くらいの高さの障子紙を使い、
右から左へ、さーっと転がして張り、障子紙の端を切り落とす。
次にその下の桟を右から左へ、さーっと・・・
その次はその下の桟を右から左へ・・・

肝心なのは、障子そのものを逆さまにして作業すること。
障子紙の重なりの部分が、いつも下向きになるように。
(ああ、説明が難しい・・・)
障子紙の重なりが逆だと、埃が重なりのところに溜まるから。

障子紙の端を切るときは、安全カミソリの刃だけを使っていました。
しかも、記憶に間違いがなければ、母はその刃を口にくわえていた。
唇とか切らなかったのだろうか? 思うほどに恐ろしい・・・

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(ネットで探してみましたが、こんな替刃? 少し違ったような)

私はオルファのカッターです。
カッターは安全で、よく切れて、ほんとうにありがたい生活の必需品!

張り終わると、母は、口に含んだ水を、
「プッ! プッ! プッ!」と障子紙に吹きかけます。
霧吹きなんてものは使いません。

これで1枚の障子が完了!
昔の家は、廊下に添ってずらっと障子です。
いったい何枚の障子があっただろうか?

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(ネットで探してきた画像で、子供のころの我が家ではありません)

幼い頃、そんな母の仕事を見ているのが好きでした。
何しろ、ゲームやテレビアニメなんてない時代。
母の仕事は、なかなか面白いパフォーマンスでした。

たった4枚の障子。それも一面を一気に張っておしまい。
格段に楽な作業なのに、けっこう疲れたかも・・・
母たちはほんとうに偉かった!