このところ、以前にもましてスローペースになったKindle読書。
どうしてだろう。ベッドに入ると、脱力感に抱かれて眠りの海にまっしぐら。
なので、本の話題は久しぶりになりました。
「犬心 いぬごころ」伊藤比呂美著
著者のことはまったく知りませんでした。
Kindleの☆の数やレビューを見て、読んでみようとクリックして、
それでも、読み始めたのはダウンロードしてから大分経っていました。
面白かった! ほんとに。
読み始めたときは、ああダメだ、しっぱいかも・・・挫折?
それでも眠りの海に漂う直前まで、少しずつ読んでいました。
やがて、いやこれは、この著者はただものではない・・・とやっと分かって、
そこから、著者の検索をしたりして(情報収集、遅いです)
老犬である大型のジャーマンシェパード、タケを看取るまでの、
なんとも壮絶で、(家中うんこまみれの・・・という感じ)
そして、なんとも乱暴なのに、愛しくて、優しくて。
また、老犬の最期の時までの話と、2匹のパピヨンとの生活を語りつつ、
子供たちとの日々、すでに見送った父との最後の時期を重ねて、
人も犬も、生あるものの愛しさを、溢れる言葉で綴られている、
とはいえ、言葉は超乱暴だけど。すごかった・・・ 温かかった・・・
※犬の写真はネットからお借りしました。著者が飼っていた犬とは違います。
心に響いた、いろいろな言葉や文章がたくさんあったので、
これが一番ではないのだけれど、
母って?との難問をサラリと解いていたので、うなってメモしていました。
(書き留めるのはいつもiPhoneの「メモ」です。優れもののメモアプリ!)
誰かの生きるを全面的に引き受ける人
それが母の定義
そうだ! 誰かの「生きる」をまるごと引き受けるのが母なのだ、
ものすごく納得。
親も子供もそして犬たちも、母はまるごと引き受ける。
なんの条件もなく、あたりまえのように、その生をまるごと・・・
そして、少し違うのだけど、
本の終わりに寄せた町田康さんの文章にまたまた、すごく納得。
常々、「うちの犬はバカだから」という人の言葉に、聞く方の私が傷ついていました。
なぜ私が傷つくのか、考えたことなかったけど、そう、そういうことだった。
あなたの犬はバカじゃないのよ、ね。
水が方円の器に随うように犬は飼い主に随う。なので、飼い主が善く飼えば犬は善い犬になるし、悪く飼えば悪い犬になる。したがって、「うちの犬はバカでして」と言っている人がいるが、それはすなわち、「私はバカである」と公言しているのと同じことなのである。
町田康
※言葉辞典から・・・「随う、とは」
「従う」は 広く使える。 「随う」は 偉い人に随行する という意味。
「順う」は 言うことを聞く という意味。 「遵う」は 準拠する という意味。