行きたくないけど義務を果たすように、
仕事に出て行った。
仲間の中では、仕事モードの気持ちになっていたから、
少しは良かったけれど。
仕事終えての帰りは、なんと哀しい道だろう。
家に帰っても、玄関で迎えてくれるあの笑顔が無いなんて。
そして、戻る我が家には、
どこにもここにも、どんな隅っこにも、
その姿が重ならない場所はなくて・・・
家に向かう帰り道、胸がはちきれそうに寂しかった。
まだ少しも感触の変わらないさくらの被毛をなでながら、
「帰っておいで」「帰っておいで」と、
おおきな声で叫び続けてしまった・・・