久しぶりに駿河湾を沿って帰る海岸道路。
とても空いていて、あまりに快調だったせいなのかどうなのか?
頭の中を、じわじわと占領していったものは、
さくらの面影・・・
次々と、色々なことが思い出され、
可哀そうでせつなくて、こらえてもこらえても涙が出てきてしまう。
ハンドル握ってるから、危ないのにね。
2日間留守にしていたので、こんなときに家に帰ると、
さくらのモーレツ歓迎を受けて大騒ぎになるのに、
静かな静かな我が家。何も聞こえない、何も動かない・・・
耐えきれずに、大声でさくらを呼んでしまった!
「さくらー おいでー ただいまーーーー さくらーーー」
誰かがいたら、私が狂ったのかと思っただろうなあ。
庭に降りると、一番に思い出したこと・・・
さくらが亡くなった日の午前、
もう、ほとんど動けないさくらを抱いて庭に降りた。
庭で遊ぶのが大好きだったさくらに、
草の匂い、土の匂い、庭の感触を感じさせてあげたくて。
さくらは、分かったように静かな顔をしていた。
あのときの、ギューッと抱きしめていたさくらの感触を、
もう一度だけ・・・と思ってしまう。もうあり得ないのに。
まだまだ、哀しみは、少しも癒えません・・・
5月の庭・・・